新・ニッポン放浪宿ガイド250 読書感想・レビュー

以前、当ブログで紹介させて頂いた、

シェルパ斉藤のリッター60㎞で行く!日本全国スーパーカブの旅

とても魅力的な宿が沢山出て来て、その様子がとても面白く書かれてます。

情報源は「ニッポン放浪宿ガイド200」(2005年刊行)という事が本文にも書いてあったので、調べてみると、この本は既に絶版でした。

完全リニューアル版として、「新・ニッポン放浪宿ガイド250」(2009年刊行)という本があったので購入しましたが、

こちらも既に新刊はなく、中古でしか手に入りませんでした💦

新・ニッポン放浪宿ガイド250
タイトルの「放浪宿」とは、

「1泊500円~、素泊まり3000円台前半までの安宿で」

「安いだけでなく、旅人同士の交流がしやすかったり、秘境にあったり、宿主が強烈キャラだったり、何かしら旅心をくすぐる特徴のある宿」(本文より)という定義で、全国の宿を掲載した、基本一人旅のガイドブックです。

ジャンルとしては、ユースホステル、ゲストハウス、ファームイン(農家民宿)、学校宿、民宿・ペンション、ライダーハウスが対象になってます。

通常、この手の宿は大きく宣伝される事がないので、旅人同士の口コミでひろがっていく事が多いと思いますが、

(例えば、北海道の礼文島に凄いユースがあるらしいよ、みたいな…)

それを書籍化してしているところが、まず凄いですよね。

各エリアごと(北海道、東北、関東、中部・北陸、近畿、中国・四国、九州、沖縄)

に宿の情報がまとまっています。

その土地の気候、交通、秘境、B級グルメの解説のエリアガイドが2ページあって、

さらに見開きでのエリアマップにそのエリアの掲載宿の位置と掲載ページが展開されていて、とても見やすいです。

宿情報は紹介記事と、地図、料金などの宿泊基本データなどが掲載されています。

しかし、この本、もう一つ凄いところがあって、

本文の構成が単なる宿の羅列だけではなく、ところどころに出てくる各コラムがとても充実しているんです。

まずは、だいたい1ページの1/3ぐらいの小さなスペースに書かれた、ミニコラムがちりばめられています。

これが、結構面白くて、知っている事は、ウンウンと懐かしく思い、知らない事は、ヘェー行ってみたい、と思うわけです。

例えば、タイトルをそのまま紹介すると、

北海道エリアなら「ともに歩けばきっと愛が芽生える!?礼文島 愛とロマンの8時間コース」とか

中部・北陸エリアなら「日本一行きにくい場所にある超秘湯!?一泊しないとたどり着けない高天原温泉」

関東だと「千葉の片田舎へ日帰りでフラリ 小湊鉄道に乗って木造駅舎の猫駅へ」みたいな感じです。

次に、各エリアの終わりには1ページのコラム記事があり、珍スポットやお酒、温泉、のような旅の楽しみ方が、各地域の特性に合わせた上で、自由な切り口で楽しく書かれてます。

もうひとつ、エリア関係なく、旅全般の話として、各4~6ページぐらいの記事が、ところどころに出てきます。

内容は、マニアックなエリア情報獲得の為の地方発信本の話や、禅寺での体験談、旅の本屋さんによる読書のススメ、130以上の島に行った方の島旅の話など、

まるで雑誌の特集ページのように、旅の達人の方々の様々なエッセイが載っていて、

とても読みごたえがあり、大いに旅心をくすぐられてしまいます。

これら3種類の旅をテーマにした、異なるスタイルのコラムの存在によって、

一人旅の放浪宿のガイドブックなのですが、

ふっと泊まった宿で、宿のオーナーさんや、そこに泊まった人達と、旅の話をして盛り上がっているような、そんな感覚に浸ることができる、旅の本に仕上がっています。

ただ、10年前の本なので仕方ないかもしれませんが、

掲載されている宿で廃業したり、屋号が変わってしまった所もあるみたいです。

でも、この本で面白そうな宿を見つけて、ネットで最新情報をチェックすれば、まだまだ充分使えそうです。

ちなみに2019のSSTRの帰りに寄ったロッジモーティブさんも載ってました。

 

やはりそろそろ、最新版が出てくれると嬉しいですけど(笑)

新・ニッポン放浪宿ガイド250