ブレッドボードで電子工作を始めて、その面白さを知り、
次はハンダ付けの道具を一式そろえて、組み立てキットを組み立てている、
半年ほど前から始めた「趣味の電子工作」の自分の今のレベルです。
組立キットは、既に配線されたプリント基板と必要な電子部品がセットされているので、
ちゃんと組立れば「必ず動く」という安心感があります。
なので、自分のような初心者がハンダ付けの練習をし、見なれない電子部品に触れながら、作っていくのはとても楽しいです。
さらに先日作ったラジオキットの様に、組み立てた後の実用性があればなおさらです。
もっといろんなキットもプラモデル感覚で作ってみたいと思ってます。
しかし、こちらの「図解 つくる電子回路」では、
もっと、さらに深く、電子工作の本来の作る楽しさを教えてくれています。
図解 つくる電子回路―正しい工具の使い方、うまく作るコツ (ブルーバックス)
対象としている読者は、
「電子回路を描くところから、つまり何もない白紙の状態から長期間安定に動作する試作品を作りたいという方々」という事です。
とても奥が深い世界なので、道筋はいろいろあると思いますが、
「本物が動作した時の感動を得る為の方法」をこの本では、二つの側面からアプローチしています。
一つ目は、「無安定マルチバイブレーター」をテーマとして電子回路の設計の解説(回路図や動作原理、部品説明など)からはじまり、
その回路を「ブレッドボード」で組み、さらに「ユニバーサル基板」で作っていく流れ。
確かに、プリント基板に定数の決まった電子部品を載せていく「キット商品」とは別世界ですね。
もう一つは、これがこの本の大きな特徴でもあるのですが、
「手」も電子工作の大事な道具として捉えて、特に「指」の使い方について、
例えば、「リード線の折り曲げ方」や「より線とハンダとコテを持つ」時の指の状態などが、
実物に近い大きさ、もしくはそれ以上に大きなイラストで説明されてます。
イラストは写真よりも濃淡の調整が簡単にできて、特に解説したい部分の拡大も容易なので、とてもわかりやすいです。
しかもこのイラスト、精巧なだけでなく、「作業する人の目」で手をみているように描かれているんですよ。
なので、そのままの形で簡単に真似する事ができるようになってます。
もちろん本来の道具であるハンダコテでのハンダ付けの方法やニッパやラジオペンチの使い方もイラストで詳しく解説されています。
なにげに練習が必要な高度なテクニックが入っていたりしますが、それも指を道具として使いこなすという事なんですね。
自分などは、おぼつかない手でハンダコテを握り、
おっかなびっくり指を動かしながら部品を付けて、
市販のキットが動いただけで喜んでいるレベルなので、
道のりは、かなり遠そうですが、
電子工作を楽しみつつ、いろんな経験をつんで、
いずれは本書でいう「本物が動作する感動」を味わえたらと思います。