行ったり、来たりして、再び戻ってきた、TLバイアルスですが、ちょっと予想外の事が2点ほどありました。
取りあえずエンジンを掛けようと思ったのですが、まず、アクセルスロットルが回りません。多少はガタガタ動くとかではなく、完全にロックされた感じです。
もう一つはガソリンコックをONにするとガソリンが漏れてしまう。
ネットや本で調べて幾つかの可能性にあたりはついたのですが、いまいち釈然としなかったので、前オーナーさんに相談してみると、
まず、アクセルスロットが回らないのは、ワイヤー系がどこかで引っ掛っているんじゃないか、特にアクセルワイヤーと直接連動しているスロットルバルブあたりが怪しいのではないかと教えてもらったので、早速見てみる事にしました。
キャブレターを本体から外して(以前キャブレターのオーバーホールをしたので大体の勝手はわかります)、キャブレター頭部の部分を緩めて、リターンスプリング、スロットルバルブ、ニードルが一体となった部分を抜きとります。
でも、すんなりとは抜けなかったです。スプリングの部分などを左右上下にクネクネさせてなんとか取り出しました。
この段階で原因はこの部分かなという確信が持てました。なにかの衝撃で引っ掛ってしまっていたようで、再度上部をキャブにきちっと組み込んでみると、見事にアクセルスロットルはスムーズに動くようになりました。
さて、次の課題はガソリン漏れ、これについては、「取りあえず叩いてみたら」というので、半信半疑でドライバーの柄の部分で、キャブレターの下の部分を軽くコンコンと叩いてみました。
おそるおそるガソリンコックをオンにして、以前ダダ漏れだったキャブの下のオーバーフローホースを注視します。
「おっ、漏れてない!」これは凄い、いつからドライバーが「ハリーポッターの魔法の杖」になったんだ(笑)と思うくらい、鮮やかに直ってしまいました。
多分、原因はキャブの中の小さなゴミが(フロート室のフロートがガソリンの量によって上下するのに連動している)ニードルバルブの動きを妨げて、オーバーフローを起こしていたからだという事です。
要はゴミで出来た隙間からガソリンが漏れていたので、外から叩いて落としたという訳ですね。
昔のテレビとかは映りが悪くなったら、とりあえず、叩くと直ったという話を良く聞きますが、バイクもキャブ車なら直るんですね。
まっ、とにかく2つの問題は無事解決して、もちろんエンジンもかかりました。
昔の機械はこういう所がなんとも味があっていいですね。ブラックボックスがないから、いじれば、いじるほど愛着がわくし。
今のインジェクション車だったら、叩いたら、間違いなく壊れますけどね(笑)
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