誕生から60年以上が過ぎ、世界生産累計1億台以上を達成している、
偉大なる乗り物「スーパーカブ」
その魅力について書かれた書籍も多数出版されています。
その中で、自分がたまたま読んで面白かった本を、
硬軟おりまぜて、7冊ご紹介させて頂きます。
目次
①ホンダスーパーカブ 世界戦略車の誕生と展開
➁スーパーカブの軌跡
③スーパーカブはなぜ売れる
④世田谷ベース35「所さんのスーパーカブ」
⑤世田谷ベース36「スーパーカブ・ラットロット計画」
⑥シェルパ斉藤のリッター60㎞で行く!日本全国スーパーカブの旅
⑦小説「スーパーカブ」
①ホンダスーパーカブ 世界戦略車の誕生と展開
この本は1997年に初版を発行し、その後、資料・内容の増補改訂を繰り返して刊行されている、
歴史あるスーパーカブの定番本です。
歴代のスーパーカブの写真が解説とともに図鑑のように楽しめたり、
ホンダの社史を踏まえた躍進展開、
開発者による車体設計やデザイン秘話、
単気筒エンジンの開発史、
多くの派生モデルを生み出したカブシリーズの検証はちょとしたカブ系辞典ですね。
世界生産拠点や生産実績の資料まで載ってます。
スーパーカブの歴史の教科書のような、
カブ好きなら是非手元に置いておきたい一冊です。
「ホンダスーパーカブ世界戦略車の誕生と展開 読書感想・レビュー」参照
➁スーパーカブの軌跡
こちらはスーパーカブの歴史を広告やカタログで振り返る、
ハードカバー、全173ページの大型豪華本です。
カブの歴史としてみるのはもちろん、
広告としてのコンセプト展開がとても斬新で、需要創造のマーケティング戦略としてみるのも、とても興味深いです。
今までオートバイという乗り物に縁のなかった人達(女性や学生、おそば屋さん)をどのように取り込んでいくか、
車種の変遷と時代の流れ、文字の表記やビジュアル表現、キャッチコピーは時代を表す鏡ですね。
時代、時代の広告は多くを語ってくれて、興味がつきません。
③スーパーカブはなぜ売れる
世界戦略車として開発されたスーパーカブが
どうのように世界へ挑み、仕掛け、変化し、そして受入られていったかが、
徹底した取材をもとに、詳しく書かれてます。
ダイナミックな販路拡大マーケティングのノンフィクションはワクワクします。
アメリカでの「ナイセスト・ピープル」の大成功、世界最大の二輪市場・ヨーロッパへの挑戦、
そして、満を持しての東南アジア。タイ、マレーシア、ベトナム、インドネシアの独自の事情についても詳しく紹介されてます。
また、南米ブラジルのブラジル人の為のスーパーカブや、超巨大市場の中国との関係など、
世界各地で独自の進化を遂げる変遷が著者の長期に渡る取材と鋭い見識によって展開されていて、
スーパーカブの歴史だけでなく、世界の今のカブ事情を知る事もできる貴重な一冊です。
④世田谷ベース35「所さんのスーパーカブ」
「世田谷ベース」でもスーパーカブの特集をやってます。
まず一台は、旧いクラッシクカブカブを手に入れて、レストアして、ノーマルに近い状態の戻していきます。
もう一台は、比較的新しい車両を、切ったり、削ったり、板金したりして、イメージを形にしていく、いわゆるカスタムですね。
このレストアとカスタムのそれぞれの過程を雑誌ならではの大きな紙面で大胆に展開していきます。
また、カブ専門店やディープ過ぎるカブ倶楽部の紹介など、カブ関連の記事満載です。
「所さんとスーパーカブ」と題したインタビュー記事では、所さんがカブに惹かれた理由など、6ページにわたって、ビッと語られてます。
「世田谷カブステッカー」のオマケ付です♪
「世田谷ベース35 所さんのスーパーカブ 読書感想・レビュー」参照
所ジョージの世田谷ベース VOL.35 (NEKO MOOK)
⑤世田谷ベース36「スーパーカブ・ラットロット計画」
世田谷ベース35に続いての世田谷ベース、スーパーカブ特集、第二弾!
今回は、ボロボロのカブの外装はそのままで、エンジンと足回りをキッチリしようという計画です。
主役はエンジンですね。
完全固着したエンジンの、バルブ、カム、ピストン、シリンダーから腰下へと、
バラシて、計って、削って、磨いて、組み立てて、小さなカットの細かい説明を食い入るように見て行くと、いきなりの部品見開きのアップ写真。
外装パーツの切り抜きなど、カッコいいいバイクが形になっていく様子がドンドン誌面展開されていきます。
もうひとつの目玉は、スーパーカブをベースにした世界のカスタムマシンとそのビルダーの紹介。
ストリート系、チョッパー系、カフェレーサー、サーフ&バイク、オフロードレーサーなど、丁寧に紹介されていて、
スーパーカブの楽しみの、懐の深さを感じます。
「世田谷ベース36 スーパーカブ・ラットロッド計画 読書感想・レビュー」参照
所ジョージの世田谷ベース VOL.36 (NEKO MOOK)
⑥シェルパ斉藤のリッター60㎞で行く!日本全国スーパーカブの旅
ビーパル連載の「行き当たりばっ旅」で有名なシェルパ斉藤さんがスーパーカブで日本全国を旅した紀行文。
ヤフオクで50ccのカブを手に入れて、
まずは東北や西国三十三ヶ所、九州八十ハヶ所、北海道八十ハヶ所と
初めはスタンプラリーのように巡礼をスタートしていきますが、
旅を続けるうちに意味あいはどんどん深くなっていきます。
様々な人達との出会いとともに、個性的な宿(ゲストハウス)も沢山でてきます。
キャンプももちろんしていて、ビーパルみたいに、服装や積載荷物、使用したキャンプ用品も写真入りで載ってたりもします。
それにしても「スーパーカブ」と「旅」、そして「キャンプ」って実に相性がいいですよね♪
「シェルパ斉藤のリッター60㎞で行く!日本全国スーパーカブの旅 読書感想・レビュー」参照
シェルパ斉藤のリッター60kmで行く!日本全国スーパーカブの旅
⑦小説「スーパーカブ」
最後は小説です。
一人の孤独な女子高生がスーパーカブに出会い、様々な体験を通して成長していく物語。
主人公は女子高生ですが、学園ドラマ的な恋とか友情とかには縁がなく、
基本一人でカブに乗っていて、かなりクールでハードボイルです。
カブのエンジンをかける時の取説のような描写やオイル交換やパンク修理などのメンテの様子、
ボックスや雨具の装備系の検討やカブ系のバイクやエンジンの話が随所に出て来てきます。
カブ乗りが好きそうモノが沢山でてくるのも魅力のひとつです。
いまや、文庫以外にも、ネット小説、マンガ、アニメ化もされている人気シリーズです。
確かに、おもしろいですね。
以上7冊、なかには絶版で中古でしか手に入らない本もありますが、
いろんな角度からスーパーカブが語られている魅力をお伝えしたくて、ご紹介させて頂きました。
もし機会がありましたら、目を通して頂けると嬉しいです。